万引き家族を見てきた – 映画鑑賞

映画・ドラマ・漫画

是枝監督が日本人としては21年ぶりにパルムドールを受賞されました。
これには邦画に疎い私も反応してしまいます。
早速妻とともに見に行ってきました。

感想

個人的にはリリー・フランキーさんのファンではありますが、
他のキャスト陣も演技がすごくて、映画にすっかり入り込んでしまいました。
安藤サクラさん樹木希林さんはさすがですが、その他の俳優さんも更には子役達も自然な演技でその演技力に驚かされます。
是枝監督曰く皆化物だそうです。

ウェットな感情に訴えかける映画で、俳優陣の演技も先に行ったとおり自然すぎるほど自然なので、
人によっては抑揚がなくてつまらないなーと感じるかもしれません。
恵まれた暮らししか知らないならば、この映画をみても同情や悲しみしか感じない人もいるかもしれません。
何かしらの共感を抱けなければ真に楽しめない映画だと思います。

あらすじ・概要

公式サイトから引用します。

 街角のスーパーで、鮮やかな連係プレーで万引きをする、父の治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)。肉屋でコロッケを買って、寒さに震えながら家路につくと、団地の1階の廊下で小さな女の子(佐々木みゆ)が凍えている。母親に部屋から閉め出されたらしいのを以前にも見かけていた治は、高層マンションの谷間にポツンと取り残された平屋に女の子を連れて帰る。母の初枝(樹木希林)の家で、妻の信代(安藤サクラ)、彼女の妹の亜紀(松岡茉優)も一緒に暮らしている。信代は「もう少し金の匂いのするもん拾ってきなよ」とボヤきながらも、温かいうどんを出してやり名前を聞く。「ゆり」と答える女の子の腕のやけどに気付いた初枝がシャツをめくると、お腹にもたくさんの傷やあざがあった。深夜、治と信代がゆりをおんぶして団地へ返しに行くが、ゆりの両親が罵り合う声が外まで聞こえる。信代には、「産みたくて産んだわけじゃない」とわめく母親の元に、ゆりを残して帰ることはできなかった。

 翌日、治は日雇いの工事現場へ、信代はクリーニング店へ出勤する。学校に通っていない祥太も、ゆりを連れて〝仕事”に出掛ける。駄菓子屋の〝やまとや”で、店主(柄本明)の目を盗んで万引きをするのだ。一方、初枝は亜紀を連れて、月に一度の年金を下ろしに行く。家族の皆があてにしている大事な〝定収入”だ。亜紀はマジックミラー越しに客と接するJK見学店で働き、〝4番さん(池松壮亮)”と名付けた常連客に自身と共鳴するものを感じ、交流がはじまる。

 春の訪れと共に、「荒川区で5歳の女の子が行方不明」というニュースが流れる。両親は2ヶ月以上も「親戚の家に預けた」と嘘をついていたが、不審に思った児童相談所が警察に連絡したのだ。ゆりの本当の名前は「じゅり」だった。呼び名を「りん」に変え、髪を短く切る信代。戻りたいと言えば返すつもりだったが、じゅりはりんとして生きることを選ぶ。信代は、「こうやって自分で選んだ方が強いんじゃない?」と初枝に語りかける。「何が?」と聞かれた信代は、「キズナよキズナ」と照れながらも、うれしそうに答えるのだった。

 時は流れ、夏を迎え、治はケガが治っても働かず、信代はリストラされるが、それでも一家には、いつも明るい笑い声が響いていた。ビルに囲まれて見えない花火大会を音だけ楽しみ、家族全員で電車に乗って海へも出掛けた。だが、祥太だけが、〝家業”に疑問を抱き始めていた。そんな時、ある事件が起きる──。

家族を描き続けてきた是枝裕和監督が〝家族を超えた絆〟を描く─
決して明かしてはならない、
ある一家の秘密が紐解かれていくうちに、
未体験の心の震えが押し寄せる
衝撃の感動作

 ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品、そして日本アカデミー賞最優秀賞最多6冠という快挙を成し遂げた『三度目の殺人』。その興奮も冷めやらぬうちに、是枝裕和監督は既に次へと歩を進めていた。「10年くらい自分なりに考えて来たことを全部この作品に込めようと、そんな覚悟で臨みました」と自ら語る、入魂の最新作を完成させた。丹念に積み重ねられてきたフィルモグラフィーの、さらにひとつ重要な位置を占める一本の登場だ。

 今度の主役は、犯罪でしかつながれなかった家族。高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、柴田治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込む。彼らの目当ては、この家の持ち主である祖母の初枝の年金だ。足りない生活品は、万引きで賄っていた。社会という海の底をひっそりと漂うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。そんな冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼いゆりを見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。

 教養も甲斐性もなく、息子に教えられることと言えば盗みしかないが、情が深く憎めない父に扮するのは、『そして父になる』の味わい深い演技で高く評価されたリリー・フランキー。夫が連れてきたゆりに愛情をかけていくことで、自身が親から受けた傷を癒していく妻には、『百円の恋』で数々の賞を受賞した安藤サクラ。JK見学店で働く彼女の妹には、映画から舞台まで数多くの話題作に出演し、若手女優の中でも突出した存在の松岡茉優。そして飄々としながらも、家族のまとめ役となっている祖母を、『歩いても歩いても』『海よりもまだ深く』など是枝作品に欠かせない樹木希林が、唯一無二の存在感を見せている。

 さらに、寡黙な役柄にもかかわらず、観る者の胸に心の叫びを届けるシーンを作り出した池松壮亮、絆を守ろうとする家族とは対立する立場を、感情を抑え演じた高良健吾と池脇千鶴、それぞれの役柄が背負ってきた人生を短いシーンに滲ませる柄本明と緒形直人、森口瑤子など、実力派俳優たちが集まった。また、オーディションで選ばれた、祥太役の城桧吏とゆり役の佐々木みゆの、じっと未来を見据える眼差しが、物語の結末のその先に希望を灯す。

 スタッフに、是枝監督とは初めてのコラボレーションとなる二人が加わった。冬から始まり次の冬で終わる物語の季節の移ろいを、詩情あふれる映像で捉えた撮影は、『そこのみにて光輝く』の近藤龍人。登場人物の感情のざわめきを、優しく慎ましやかに奏でる音楽は、今や世界の音楽界の重鎮でありながら、なお意欲的な活動を続ける細野晴臣。

 生計を立てるため、家族ぐるみで万引きなどを重ねていくうちに、一層強く結ばれる一家。だがそれは、社会では許されない絆だった。人と人との関係が希薄な今の時代に、『誰も知らない』『そして父になる』などで、様々な家族の形を真摯に見つめ続けてきた是枝監督だからこそ描ける、真の〝つながり”とは何かを問う、衝撃と感動がひとつになる稀有なる作品が誕生した。

キャスト

柴田治:リリー・フランキー
柴田信代:安藤サクラ
柴田亜紀:松岡茉優
4番さん:池松壮亮
柴田祥太:城桧吏
ゆり:佐々木みゆ
柴田譲:緒形直人
柴田葉子:森口瑤子
北条保:山田裕貴
北条希:片山萌美
川戸頼次:柄本明
前園巧:高良健吾
宮部希衣:池脇千鶴
柴田初枝:樹木希林

予告編・特報

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